Nature 579(2020)555-560.

ドーパミンD2受容体によるスパインと学習制御機序

  • 統合失調症治療薬(抗精神病薬)として広く使われているドーパミン2型受容体(D2受容体)の阻害剤が幻覚や妄想などの症状を改善する仕組みの理解を進めました。

  • 報酬を予測する音を区別する学習課題を行うマウスにおいて脳内光刺激を用い、D2受容体はドーパミン濃度の低下を検出して過剰な学習を現実に合わせて訂正する弁別学習を起こし、この機構の障害は抗精神病薬により回復することを見出しました。

  • 脳が環境に適応する新原理と、精神症状の発症原因にシナプスの障害の可能性があることを提案し、統合失調症の早期診断に新しい道を拓きました。

Dopamine D2 receptors in discrimination learning and spine enlargement