東京大学医学部 構造生理学

大脳のシナプスの運動性は心の成立や精神疾患に深く関係することを見出し、更なる謎の解明を進めています。

研究概要

我々の心を作る学習はどの様に起き、記憶はどの様に脳に蓄えられるのでしょうか。大脳では神経回路を構成する興奮性シナプスは樹状突起にある特徴的な棘様の構造、樹状突起スパインにできます。我々の研究室では光学的・分子生物学的な手法を運用して樹状突起スパインの性質を明らかにする研究を展開してきました。そして、シナプスの増強時にスパインが増大運動を起こすことを、海馬、大脳新皮質や基底核で見出しました。そして、この増大が個体の記憶と関係すること示しました。スパインの動的な挙動は神経修飾因子や向精神薬、そして依存性物質的の作用に深く関連することもわかっていました。即ち、スパインにより形成される神経回路は学習・記憶、知覚、情動の基盤となり、それらの障害により精神疾患が起きると考えられます。そこで、その動的特性の解明を続けると共に、動特性を利用した光学的分子プローブを作成して、学習やその他の認知機能を解明する研究を進めています。


新着情報

2020年08月01日

阿部昭子さん、藤波千恵さんが研究補佐員として参加することになりました。

2020年07月30日

澤田健が時実利彦記念神経科学優秀博士研究賞を受賞しました。

2020年07月23日

京大石井研との共同研究(浦久保君、藤田君)が出版されました。

D1/D2細胞シグナルと新しい強化学習回路への実装

2020年06月02日

西谷健汰 君が特別研究員として参加することになりました。

2020年03月26日

ドーパミンD2受容体と弁別学習・精神症状の論文がNatureに掲載されました。  詳細解説 F1000 Recommendations

2019年09月26日

野口潤の大脳新皮質個体のスパイン可塑性の論文が掲載されました。

2019年06月13日

スパイン揺らぎによる学習安定化機構の障害と自閉症論文掲載

2019年04月12日

うつ症状とスパイン新生の関係を光プローブで証明論文掲載